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2003.07.04
書籍・ビデオ案内
 
  反差別国際運動をはじめ長年人権活動に取り組んできた著者が活動を支える自らの学問・思想的背景、そして部落解放運動との出会いを振り返る回想記。あるべき未来像を力強く語る。

人の世の冷たさ、そして熱と光
―行動する国際政治学者の軌跡

武者小路公秀著
四六判 並製 212ページ 2000円+税
ISBN4-7592-6076-5

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もくじ

第1部 史実を学ぶ前にまず歴史家を研究せよ

第一章 ヨーロッパ生まれのヨーロッパ育ち

激動の一九二九年、ベルギー生まれ/知られざる国際連盟と日本の関係/私の母/ドイツで受けた初等教育/祖父と孫/日本がプロシアから学んだこと/求められる明治国家の総括/父の影響/父が調印した日独防共協定/「バカヤロー」/日本外交の継続性/ナチスの大衆操作/私が見たヒトラー/ナチスに対する評価/私にとってのナチス

第二章 日本に帰国

イジメそして登校拒否/学校嫌い勉強好きの不思議な少年/歌舞伎町の学習院「愚連隊」/学習院フレンドシップ・クラブ/兄の死と信仰/学習院大学に進学/私の学問の師たち/グラムシへの関心/アジア・アフリカ連帯委員会との出会い

第2部 現代のグラムシ

第一章 パリ大学に留学

試験は苦手/捨てる神あれば拾う神あり/パリ大学、ギュルヴィッチ社会学ゼミナール/人的交流/『エスプリ』のペルソナリズム/『エスプリ』の影響・脱構築/応用・人権における脱構築/モロッコで見たキリスト教の原点/イスラームとの出会い/今なぜイスラーム原理主義か?

第二章 プリンストン大学―しばしグラムシを離れて

武者小路は右翼か左翼か/ニューヨーク、プリンストン大学へ/隣人は天才数学者/ゲーム理論「武者小路の解」/ナッシュという人/プリンストン大でとった演習/きら星のごとき人材/読書三昧/インター・ディシプリナリーってどんな懲罰?

第三章 対話を求めて

開発とは人間の解放/解放のかくれみの、環境/迷惑千万な「持続可能な開発」/日本にあったアジア主義/慧眼のウ・タント構想/キャンパス・学生なしの大学/国連大学・プログラム担当副学長/国際政治の現場

第四章 国連大学―対話

北の「ユネスコ」/対抗 北の「ユネスコ」/闘い/武者小路は北のスパイ!?/団結/グローバルネットワーク/のんきな「グローバル危機」/勘違いという名の対話/CIAならつきあえる!?/深まる孤独感

第3部 人の世の冷たさ、そして熱と光

第一章 部落解放運動

出会い/糾弾/激動の時代の人権/マイノリティ研究会発足/祖母と祖父/「純粋」でないことの意味/自己解放/水平社宣言

第二章 反差別国際運動

報告書に書けなかったお話/美しき誤解úJ―その名はNGO/市民とは誰か/美しき誤解úK―国連は戦場/闘いの産物―社会開発サミットと人間の安全保障/官から民へ/上杉佐一郎委員長との出会い―世界の水平運動/ニマルカ・フェルナンドと複合差別/人身売買の問題の取り組み/松井やよりさんの遺産/二重スパイ/ケンカはすばらしい!

第三章 そして今、グローバル・ファシズム

徘徊するグローバル・ファシズム/「安全保障」という名の人権侵害/広がる市民の反グローバル化運動/グローバル化の光と影/商品化される人間/未曾有のグローバル化/疎外されたる群集の潜在性/日本の中の第三世界問題/これからの世界の可能性/エピローグ―私は二重スパイ

モノローグ

補論 プルードンの政治思想―その発想と展開に関する試論―(抄) /参考文献