第1部 史実を学ぶ前にまず歴史家を研究せよ
第一章 ヨーロッパ生まれのヨーロッパ育ち
激動の一九二九年、ベルギー生まれ/知られざる国際連盟と日本の関係/私の母/ドイツで受けた初等教育/祖父と孫/日本がプロシアから学んだこと/求められる明治国家の総括/父の影響/父が調印した日独防共協定/「バカヤロー」/日本外交の継続性/ナチスの大衆操作/私が見たヒトラー/ナチスに対する評価/私にとってのナチス
第二章 日本に帰国
イジメそして登校拒否/学校嫌い勉強好きの不思議な少年/歌舞伎町の学習院「愚連隊」/学習院フレンドシップ・クラブ/兄の死と信仰/学習院大学に進学/私の学問の師たち/グラムシへの関心/アジア・アフリカ連帯委員会との出会い
第2部 現代のグラムシ
第一章 パリ大学に留学
試験は苦手/捨てる神あれば拾う神あり/パリ大学、ギュルヴィッチ社会学ゼミナール/人的交流/『エスプリ』のペルソナリズム/『エスプリ』の影響・脱構築/応用・人権における脱構築/モロッコで見たキリスト教の原点/イスラームとの出会い/今なぜイスラーム原理主義か?
第二章 プリンストン大学―しばしグラムシを離れて
武者小路は右翼か左翼か/ニューヨーク、プリンストン大学へ/隣人は天才数学者/ゲーム理論「武者小路の解」/ナッシュという人/プリンストン大でとった演習/きら星のごとき人材/読書三昧/インター・ディシプリナリーってどんな懲罰?
第三章 対話を求めて
開発とは人間の解放/解放のかくれみの、環境/迷惑千万な「持続可能な開発」/日本にあったアジア主義/慧眼のウ・タント構想/キャンパス・学生なしの大学/国連大学・プログラム担当副学長/国際政治の現場
第四章 国連大学―対話
北の「ユネスコ」/対抗 北の「ユネスコ」/闘い/武者小路は北のスパイ!?/団結/グローバルネットワーク/のんきな「グローバル危機」/勘違いという名の対話/CIAならつきあえる!?/深まる孤独感
第3部 人の世の冷たさ、そして熱と光
第一章 部落解放運動
出会い/糾弾/激動の時代の人権/マイノリティ研究会発足/祖母と祖父/「純粋」でないことの意味/自己解放/水平社宣言
第二章 反差別国際運動
報告書に書けなかったお話/美しき誤解úJ―その名はNGO/市民とは誰か/美しき誤解úK―国連は戦場/闘いの産物―社会開発サミットと人間の安全保障/官から民へ/上杉佐一郎委員長との出会い―世界の水平運動/ニマルカ・フェルナンドと複合差別/人身売買の問題の取り組み/松井やよりさんの遺産/二重スパイ/ケンカはすばらしい!
第三章 そして今、グローバル・ファシズム
徘徊するグローバル・ファシズム/「安全保障」という名の人権侵害/広がる市民の反グローバル化運動/グローバル化の光と影/商品化される人間/未曾有のグローバル化/疎外されたる群集の潜在性/日本の中の第三世界問題/これからの世界の可能性/エピローグ―私は二重スパイ
モノローグ
補論 プルードンの政治思想―その発想と展開に関する試論―(抄) /参考文献