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更新日●2004.03.22
書籍・ビデオ案内
寺木『部落の歴史前近代』の続編。従来、階級対立の視座が強調された研究史に対して、本書は明治以降の部落における階層分化を見据え、部落改善や融和主義など運動史の再評価、戦前戦後の連続面を浮き彫りにする。

部落の歴史
近代

2004年4月30日発刊 秋定嘉和
A5判・119頁・1200円+税
ISBN4-7592-4039-X
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もくじ

はじめに

序説

  1. 社会的周辺(周縁)
  2. 差別の重層性
  3. 民族差別との関係

1 維新期の差別状況

『全国民事慣例類集』に見る明治初期の被差別部落
地方行政の変化
地租改正と被差別部落
営業税と花街税
「廃止令」と役負担の変化
新分野への就労
「廃止令」と反対一揆
「壬申」戸籍とその後
平民・士族・華族
義務教育と徴兵制

2 日清・日露戦争期の被差別部落

「自由と平等」へのねがい
「自由民権」下での希望
信仰のなかで
企業ブームと信用調査
天皇制融和思想のはじまり
部落改善運動のはじまり

3 大正期の部落改善と米騒動

大正期の部落人口と産業・職業
細民部落改善協議会と改善諸団体
米騒動と部落問題
米騒動後の改善事業と運動の変化
同愛会の成立

4 全国水平社と中央融和事業協会

水平社創立前夜
水平社宣言
水平社の展開
徹底的糾弾
軍隊内差別撤廃闘争
遠島事件後の水平社
融和運動の変化
中央融和事業協会の成立
融和思想の変化

5 昭和恐慌下の運動

昭和恐慌下の被差別部落
恐慌と対応(岡山県の事例)
水平社と労・農運動
恐慌下の水平社
全国水平社解消論
高松裁判所事件と運動の再建

6 戦時下の融和事業と水平社

部落委員会活動
融和運動と水平運動の接近
融和事業10ヶ年計画
日中戦争の拡大と融和事業
水平運動の転換
同和奉公会の成立
戦時下の転・失業問題

おわりに