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2008.04.18
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部落解放研究179号(2007.12)

自由権規約に基づく第5回政府報告を批判する

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執筆者一覧

村上 正直 (むらかみ・まさなお)大阪大学大学院国際公共政策研究科教授

友永 健三 (ともなが・けんぞう)部落解放・人権研究所所長

康  由美(かん・ゆみ)弁護士

丹羽 雅雄(にわ・まさお)弁護士

手島 武雅 (てしま・たけまさ)福岡県立大学非常勤講師(政治学博士)

福地 曠昭 (ふくち・ひろあき)沖縄人権協会理事長

住友  剛 (すみとも・つよし)京都精華大学人文学部専任講師

本多 和明 (ほんだ・かずあき)部落解放・人権研究所職員

益田  圭 (ますだ・けい)相愛大学人文学部准教授

宮橋 國臣 (みやはし・くにおみ)関西大学人権問題研究室委嘱研究員

編集後記

 今号は国際人権特集とし、指定された提出日から4年遅れで昨年12月にようやく提出された自由権規約日本政府第5回報告について、マイノリティの置かれた人権状況から批判的に検討する。

村上論文は、巻頭論文として、5つのマイノリティの現状に照らして政府報告を検討した結果を総論的にまとめたものである。友永報告は、特別措置法の終了にともなって部落問題が解決したかのように記述する政府報告に対し、最近の差別事件や実態調査などもとに反論する康報告は、日本の植民地支配に起源をもちながら不安定な在留資格を強いられてきた在日韓国・朝鮮人の現状について、入管法「改正」の影響なども交えて批判する。

丹羽報告は、対外国人施策の羅列に終始する政府報告に対し、ニューカマー・移住労働者の深刻な人権侵害の実態から反論する。手島報告は、政府が少数民族として唯一言及しているアイヌ民族に関し、政府の少数民族観と文化振興に偏る施策の両面から批判する。福地報告は、政府報告に一言の言及もない沖縄の立場から、近代の琉球処分に始まり、現在の米軍基地被害に象徴される差別と抑圧の歴史と現状を訴える。

 個別論文では、大阪市における青少年会館条例廃止の影響、およびそれに対する地元の取り組みについて、研究会中間報告を兼ねた住友論文を掲載した。 (K)