本啓発特集は「啓発推進リーダー養成の課題」をテーマに、学習プログラムの一事例として当研究所が事務局を担当して取り組んできた「部落解放・人権大学講座」(解放大学)を取り上げた。
上杉論文は巻頭論文として、成人学習の観点から人権啓発推進リーダー養成上の課題と解放大学の意義について整理する。部落解放・人権大学講座事務局からは、解放大学草創期からの変遷および現プログラムの特徴を紹介し、井村報告は事務局の立場から、本講座の中心ともいえる自己啓発学習の改革についてまとめた。新木論文は、人権啓発推進リーダー養成プログラムとしての解放大学の教育啓発効果を、修了生を対象とした数量的調査、質的調査の両面から明らかにする。
個別論文としては、フランスには15世紀に来て以降、ヨーロッパ人の幻想と偏見がないまぜになった矛盾する態度によって迫害されてきたロマ(論文中では歴史的文脈によりツィガン、ボエミアン等と呼称)の歴史を概観したトレリ論文、大阪府内公立高校で実施した「高校生の生活と進路意識調査」分析シリーズの第1回として、学校生活と進路分化に着目した菅野論文を掲載した。
前号の訂正を92頁に掲載した。 (K)