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福井県人権尊重の社会づくり条例

平成十五年三月十二日
福井県条例第二号

福井県人権尊重の社会づくり条例を公布する。

すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。これは、世界人権宣言にうたわれている人類普遍の原理であり、個人の尊重ならびに生命、自由および幸福追求に対する権利の尊重を定めている日本国憲法の理念とするところである。

この理念の下、わたしたち一人一人が、互いの尊厳を認識し、互いの権利を尊重し合う人権尊重の社会をつくり、もってより豊かなふるさと福井を築くことは、わたしたちの願いであり、責務でもある。

しかしながら、同和問題をはじめ、女性、子ども、高齢者、障害者、外国人等に対する人権侵害に関する問題は依然として存在しており、さらに、国際化、情報化、少子高齢化等の進展に伴い、新たに取り組むべき課題も生じてきている。

ここに、わたしたちは、人権尊重の社会づくりに不断の努力を傾けることを決意し、この条例を制定する。

(目的)

第一条 この条例は、人権尊重の社会づくりに関し、県、県民および事業者の責務を明らかにするとともに、人権尊重の社会づくりのための施策(以下「人権施策」という。)の基本となる事項を定めることにより、人権施策を総合的かつ計画的に推進し、もって人権尊重の社会の実現に寄与することを目的とする。

(県の責務)

第二条 県は、前条の目的を達成するため、県行政のあらゆる分野において、人権施策を積極的に推進するものとする。

2 県は、人権施策を総合的に推進するための体制を整備し、および必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。

3 県は、人権施策を推進するに当たっては、国、市町村、県民および事業者と連携するものとする。

(県民および事業者の責務)

第三条 県民および事業者は、人権に対する理解を深めるとともに、自らが人権尊重の社会づくりの担い手であることを認識して、家庭、地域、学校、職域その他の社会のあらゆる場において、常にすべての人の人権の尊重を念頭に置いて行動し、および県が実施する人権施策に積極的に協力するものとする。

(市町村との協働)

第四条 県は、人権施策について市町村と情報の交換等連携を密にすることにより、市町村と協働して人権尊重の社会の実現に努めるものとする。

(基本方針)

第五条 知事は、人権施策の総合的な推進を図るための基本方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。

2 知事は、基本方針を定めるに当たっては、あらかじめ、福井県人権施策推進審議会の意見を聴かなければならない。

3 知事は、基本方針を定めるに当たっては、県民の意見を反映することができるよう配慮しなければならない。

4 知事は、基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

5 前三項の規定は、基本方針を変更する場合について準用する。

6 知事は、基本方針に基づく人権施策の実施状況について、毎年度、福井県人権施策推進審議会に報告しなければならない。

(福井県人権施策推進審議会)

第六条 人権施策の推進に関する重要事項の調査審議等を行うため、福井県人権施策推進審議会(以下「審議会」という。)を置く。

(審議会の所掌事務)

第七条 審議会は、次に掲げる事務を所掌する。

一 基本方針の策定に関し調査審議し、知事に対して意見を述べること。

二 基本方針に基づく人権施策の実施状況に関し調査審議し、必要があると認めるときは、知事に対して意見を述べること。

三 前二号に掲げるもののほか、人権施策の推進に関する重要事項についての調査審議および建議に関すること。

(審議会の組織等)

第八条 審議会は、委員十人以内で組織する。

2 委員は、学識経験を有する者のうちから、知事が委嘱する。

3 委員の任期は、二年とする。ただし、当該委員が欠けた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 審議会に会長を置き、委員の互選によりこれを定める。

5 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。

6 会長に事故があるとき、または会長が欠けたときは、あらかじめ会長の指名する委員がその職務を代理する。

7 前各項に定めるもののほか、審議会の組織および運営に関し必要な事項は、会長が審議会に諮って定める。

附 則

この条例は、平成十五年四月一日から施行する。