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奈良県あらゆる差別の撤廃及び人権の尊重に関する条例

1997年3月27日 施行

 基本的人権が尊重される、差別のない、自由で平等な社会の実現は、人類すべての悲願である。
 すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。

 しかしながら、我が国において、部落差別をはじめとして、女性、障害者、その他の社会的弱者への差別が依然として存在しており、また、国際化、情報化及び高齢化の進展に伴い、人権に関する様々な課題もみられるようになっている。

 我々は、新しい世紀の到来を前に、あらためて人間の尊厳を自覚し、差別を撤廃することが自由で平等な地域社会建設の基礎であることを認識し、人権意識の高揚と差別意識の解消のため、たゆまぬ努力を行うことが必要である。
 我々は、あらゆる差別が撤廃され、人権が尊重される自由で平等な奈良県の実現を誓い、ここにこの条例を制定する。

(目的)
第1条 この条例は、人権の尊重について県及び県民の責務を明らかにし、同和問題その他の人権に関する問題の解消を図り、もって人権が等しく尊重される社会の実現に寄与することを目的とする。

(県の責務)
第2条 県は、前条の目的を達成するため、国及び市町村と協力しつつ、人権尊重に関する県民相互の理解を深めるため、行政のあらゆる分野において教育及び啓発に係る施策の実施に努めるものとする。

(県民の責務)
第3条 県民は、自ら人権意識の高揚を図り、相互に人権を尊重するとともに、県が実施する前条の施策に協力し、積極的に自己啓発に努めるものとする。
 附 則
 この条例は、公布の日から施行する。