大阪府泉南市にある「市民の里・林道高倉線、お菊松ハイキングコース」で2005年7月、「エッタ殺すぞ」など悪質な差別落書が27か所で発見された。泉南市は、市長をはじめ現場確認をかさね、市広報を通じて市民啓発を強めるとともに、差別落書防止に向け看板設置などを検討している。
防止に向けて看板設置検討
発見したのは、泉南市職員で7月17日、林道高倉線をハイキング中、道路脇の看板に書かれた差別落書を見つけた。その後、広範囲にわたりハイキングコースを調べた結果、コース内の目立つところにある立て看や石碑、木、トイレ、ガードレールなど27か所で、「エッタ追放」「エッタ殺すぞ」などと書かれた差別落書が発見された。
この悪質な差別落書事件を、生きた教材にしようと、泉南市長をはじめ行政、教育関係者、府連の鳴滝支部など、のべ385人が現場を訪れ、これら差別落書を確認。8月22日、警察に被害届けを提出し、消去作業をおこなった。
泉南市は、この事件を啓発教材として活用し、市広報で市民啓発を促している。また、今後の課題として市民啓発の配布や人権侵害にあたる差別落書防止と通報を促す看板の設置などを検討している。
3年前の落書き事件と同一犯人の可能性も
なお、近隣の大阪府と和歌山県の県境にある「箱作地内ハイキングコース」でも02年、03年にコースの看板などに、差別落書(2153号既報)が発見されている。今回の差別落書事件と類似していることから同一犯と見られる。
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