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2010.05.26
CSR報告書における人権情報のグッド・プラクティス 2009年度版
 

CSR報告書における人権情報のグッド・プラクティス 2009年度版

部落解放・人権研究報告書NO.15
A4版 104ページ 2010年3月31日
実費頒価 1,000円


発刊にあたって

部落解放・人権研究所
企業部会 前部会長 田中昭紘

 政権交代は、新たな歴史の一頁を拓く画期的な出来事でした。しかし、格差社会は一層の広がりをみせ、派遣労働者の雇い止めや非正規雇用者やワーキングプア、野宿生活者のおかれている状況も、より厳しくなっております。
一方、経済危機は、さまざまな課題を顕在化しております。その中にあって、企業の社会的責任(CSR)をめぐる国際的な動きは、2000年に発足した国連グローバル・コンパクトへの参加が7000社を超していること、更には、「国連ミレニアム開発目標」の実現を企業の立場から促進するため2007年には「ビジネスからの行動要請」宣言が採択されたこと、2010年秋には国際標準化機構(ISO)がISO26000として「企業の社会的責任(CSR)」に関する規格を発行しようとしていることなど活発な取り組みが続いている。
本年度は昨年に引きつづき、「CSR報告書」における人権情報の記載状況の分析を行い、就中、多様な先進的な内容を「グッド・プラクティス」として捉え、「CSR報告書」(304社)に対する分析結果と課題を示したものである。
ISO26000の人権規定は抽象的な内容であり、真に個々の企業が自主的・主体的に、その具現化にむけて取り組むことになるが、その際の参考になる「人権ガイドライン」が必要である。当部会では「マネジメント」と「パフォーマンス」において自己診断が可能となる「CSRにおける人権ガイドライン」を検討していることを付記しておきたい。
最後に、この研究を進めるにあたり、報告書収集にご協力いただいた企業の皆さま、また、調査・分析に積極的にかかわっていただいた、大阪同和・人権問題企業連絡会の有志の皆さま、そして、国連グローバル・コンパクト研究センター長江橋 崇教授をはじめ、2007年より研究推進にご協力いただいております菅原絵美さまに、心からお礼を申し上げたいと存じます。

 

以上

2010年3月 人間の英知が真に問われる時