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2009.03.13

日本の部落差別

労働

近世幕藩体制下での「えた」身分は死牛馬の処理権をもち皮革業に従事してきました。このような歴史的な蓄積は、近代に入って皮革産業、食肉産業が部落産業として発展する基礎となりました。部落産業で伝えられてきた技術は品質力を誇る製品を数多く生み出してきました。太鼓づくりはその代表的なものです。しかし部落産業成立のためには被差別部落の規模が大きいことが条件であり、部落産業を有する地区は全国的に少ないのが現状です。被差別部落での就労構造の特徴は中小零細業者が多いことであり、不安定就労の改善は依然として大きな課題として横たわっています。同和対策立法の施行は環境改善、教育、啓発などが総合力として就労状況改善に結びつき、若年層の就労条件の改善が一定はかられてきたことは、その成果を物語るものです。ただし中高年層の就労実態の厳しさは今後も課題となっています。

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