部落解放・人権研究所
企業部会長 田中昭紘
時代の要請は、より厳しくなってきている。しかし、企業は顧客第一の考え方を第一義とし、どんなことからも逃げると解決はしない。解決に向かって、絶えず、軌道修正することが必要である。今も大事。けれど、もっと大切なことは、信用・信頼を護りつづけることである。
「早よ咲かんでいいの。多くの人達が理解・納得してくれる真理の花を咲かせたいの。」
人権問題は、私達人類の崇高な理念として、大切にしていかねばならない永遠のテーマである。また、私達の一人ひとりの課題でもあるし、企業にとっても、重要な経営テーマでもある。
ところが、依然として、企業の差別事件や不祥事が後を絶たない。昨今にあっては、マスコミを通じて私達に知らされるコンプライアンスにかかわる事象は、氷山の一角であるともいわれ、企業に対する信頼・信用の失墜は筆舌し難いものがある。
社会に対する責任を果すことこそが、企業の持続的な成長と発展につながる。そうした観点から、極端な利益追求の経営には限界がある。今や、企業の社会的責任(CSR)を果すことは、企業の「コスト」ではなく、将来への「投資」だといわれている。
一方、多くの企業が社会的責任や環境に関する取り組みを、CSR報告書、ホームページを通して公表されています。
当研究所では、2005年版に引き続き、皆さまのご協力をえて、2006年版のCSR報告書を収集し、人権に関する記載内容について分析を進めてまいりました。その調査結果について、今般、報告書として取りまとめることができました。企業のみなさまにとって経営活動の参考になりましたら幸いでございます。
最後に、この研究を進めるに当たって、報告書収集にご協力いただいた企業の皆さま、また、この研究を中心的に進めていただいた大阪大学大学院国際公共政策研究科院生の菅原絵美さんに心からお礼を申し上げたいと存じます。
以上
2008年2月梅のつぼみほころびる頃
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