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2009.03.18

写真でみる戦後60年
―部落解放運動の歩み

V. 部落解放にむけた新たなステージの開始 1985年~1994年

1987年10月、部落解放研究第21回全国集会の冒頭挨拶で、部落解放同盟中央本部上杉佐一郎委員長は、第3期の運動創造を訴えた。全国水平社創立以来の糾弾闘争主導の時期<第1期>、部落解放同盟へと名称変更以降の行政闘争主導の時期<第2期>を踏まえ、1987年以降の運動を第3期と位置づけ、部落問題の根本的な解決と国内外のいっさいの差別撤廃をめざす共同闘争主導の運動創造を呼びかけた。

これと前後して、1985年5月、部落問題の根本的な解決をめざす部落解放基本法案がとりまとめられ、法制定にむけた運動が本格的に開始された。また、足元から部落解放基本法を実現していくため1993年6月、徳島県阿南市で部落差別撤廃・人権条例が制定された。その後、全国各地で部落差別撤廃・人権条例が制定されてきている。

さらに、70年代後半から取り組まれてきた国連の人権活動や各国の反差別運動との連帯の積み上げを踏まえ、1988年1月、部落解放同盟の提唱で、全世界からいっさいの差別撤廃をめざし反差別国際運動 (IMADR) が結成された。1993年3月、国連経済社会理事会との協議資格が認められ、草の根レベルの活動と国連の人権活動とを結びつける活動を展開している。

こうして、部落解放運動は新たなステージの運動を開始した。

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