2021年夏、東京では新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が発令されるなか、「東京２０２０ オリンピック・パラリンピック」が開催された。「多様性と調和」という基本コンセプトとは裏腹に、オリパラ組織委員会会長の女性蔑視発言をはじめ、日本社会におけるさまざまな人権課題がうきぼりになった。本号では、オリンピック・パラリンピックを人権という視点から検証し、お金儲けの道具としてではなく、スポーツを通じて差別をなくし平和を実現する祭典となるための課題を考えてみたい。（編集部）


オリパラとジェンダー問題　　　　　谷口真由美………２

オリンピック・パラリンピックとLGBTの社会的包摂　村木真紀………８

東京オリンピックは「多様性と調和」をもたらすか
　　　　　　　　　　　　　　　　　黒島 トーマス友基………14

オリンピックはスポーツの価値を搾取する　　星野智幸………18


シリーズ　マイノリティの声　第46回
小さな島からの発信　　　　　　　大澤加奈………24


言葉と写真で世界をみつめる　
第８回　スリランカで辞書と共に託されたもの　　　安田菜津紀………28

人権教育の実践の現場から（82）
「やっぱり学校が一番やなあ」（前編）
　　　　　　　　八尾市立高美南小学校　小坂 祥………33

津久井やまゆり園事件、五年目の真実
第６回　真の被害者は誰なのか　　　　　野澤和弘………38

わたしの視点―メディアの現場から　
第68回　二つの選挙から見えた、積み重なる票の力　　高橋由衣………42

識字運動の担い手たちが語る　
第12回　生き方をかえた識字学級〔前編〕
　　　中村美智代さん（宝塚市立第一隣保館）　　編集：小原武次郎………46
私の沖縄問題　第36回
「JIWA－JIWA」の設立と活動に込めた思い
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　任意団体JIWA－JIWA………50

明日をかえる法人―新たな人権への取り組み　第57回
誰一人として地域で孤立しない社会の実現に向けて
～NPO法人ふらっとコミュニティ～　　　　　　山根俊恵………56

新連載　泰司と元樹の書きたいざんまい　第1回
―「差別をしない・支えない・なくす努力を学ぶ」ということ①　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　松村元樹………62
連載　誰がために腹は鳴る（92）　　社納葉子………64
―「正しい言葉」も大事だが、「伝わる言葉」も同じぐらい大事。


連載　走りながら考える　　　　　北口末広………68
―第244回　AI（人工知能）時代と社会及び人権Ⅲ
　　　　　　　　　　　　　　　
連載　本の道草　第93回　　　冠野 文………72
―なんの役に立つの？

連載　映画を通して考える「もう一つの世界」　映画で考えるレイシズム（83）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　中村一成………74

連載　４コマまんが　ガッツせんべい（163）　ニセサンタ　　くぼ たかし……23

物語る一枚　（37）　～母なる森　ハポネタイ③～　アペフチカムイ
　　　　　　　惠原詩乃………54
各地の行事……78
みんなの人権・映像フェスティバル（募集）　　……79
人権をめぐる動き……80