国内で初めて新型コロナウイルスの感染者が確認されて約二年が経過した。感染はまたたく間に拡大し、感染者やその家族、エッセンシャルワーカーなどに対する「コロナ差別」を生み出している。日本では昨年二月ワクチン接種が開始され、九月には政府が陰性証明を条件に行動制限の緩和に舵を切ったこともあり新たな差別やハラスメントが発生しているが、差別の防止、被害の救済に向けた政府の対策はまったく見えてこない。今号では自治体の条例制定の取り組みや日弁連が行った電話相談の事例、イギリスからの報告をもとに、ワクチン差別・ハラスメントの実態について考える。
ワクチン接種に伴う新たな差別問題 内田博文………2
ワクチン接種に伴う差別問題について
―具体的な差別問題から考える 花輪仁士………8
「高知県新型コロナウイルス感染症に関する条例」をもとに不当なコロナ差別を許さず
坂本茂雄………14
包摂的な新型コロナ対策への努力と課題―イギリスからの報告
林 茉里子………20
言葉と写真で世界をみつめる
第8回 浮き彫りになった入管の「司法軽視」 安田菜津紀………26
わたしの視点―メディアの現場から
第69回 「靴減らしの人権報道」を目指して 森 亮輔………32
津久井やまゆり園事件、五年目の真実
第7回(最終回) 優生思想をどう乗り越えられるか 野澤和弘………36
私の沖縄問題 第37回
社会運動における性暴力に声をあげる 乗松聡子………40
シリーズ マイノリティの声 第47回
「杭」は表れた―「MINAMATA」で思うこと 高峰 武………44
識字運動の担い手たちが語る
第13回 生き方をかえた識字学級(後編) 中村美智代さん(宝塚市立第一隣保館)
編集:小原武次郎………50
人権教育の実践の現場から(83)
「やっぱり学校が一番やなあ」(後編)
八尾市立高美南小学校 小坂 祥………54
泰司と元樹の書きたいざんまい 第2回
―「特措法」失効20年と「社会的立場の自覚」 川口泰司………58
連載 誰がために腹は鳴る(93) 社納葉子………64
―「今日何を食べるか」も「どんな政治を選ぶか」も
連載 走りながら考える 北口末広………68
―第245回 AI(人工知能)時代と社会及び人権Ⅳ
連載 本の道草 第94回 冠野 文………72
―新しい自分
連載 映画を通して考える「もう一つの世界」 映画で考えるレイシズム(86)
中村一成………74
物語る一枚 (37) ~母なる森 ハポネタイ④~ ウパシルイ 惠原詩乃……48
第36回 人権啓発研究集会(案内)……60
連載 4コマまんが ガッツせんべい(164) 初日の出 くぼ たかし……61
書評『人間回復―ハンセン病を生きる』 遠藤隆久……62
各地の行事……78
みんなの人権・映像フェスティバル(募集)……79
人権をめぐる動き……80