一九六九年にスタートした「同和行政」が二〇〇二年度をもって終了するにあたり、政府の審議会(地対協)は意見具申を提出、同和問題を人権問題という本質から捉え、差別解消、自立支援などの課題は一般対策を活用し解決をめざすことになった。以降二〇年余りが経過し、部落差別解消推進法の施行、社会福祉法の改正、生活困窮者自立支援法の施行など、差別解消や地域福祉推進の法制度は大きく変化している。意見具申が示した方向は、どのように具体化されているのか。二〇〇二年当時を振り返り、部落差別解消法、生活困窮者自立支援法など今日の状況をふまえ、同和行政の現状と課題を考える。
同和行政の今後の方向
~同和問題・部落差別問題の転換期に当たって~ 炭谷茂………2
「特措法」終了後の同和・人権行政の推進へ、何が確認され実践されたのか
~「特措法」失効前後の当時の大阪の動き~ 村井茂………9
人権行政に同和行政が位置づけられているか? ―鳥取県の動向
坂根政代………15
地域共生社会めざす隣保行政へ 宮本太郎………22
言葉と写真で世界をみつめる
第32回 何度でも伝え続ける―人が人を殺すことを肯定してはならない
佐藤 慧………28
貧困・子ども・人権 第48回
ヤングケアラーと貧困:沖縄子ども調査(高校生調査)から見える点
山野良一………34
識字運動の担い手たちが語る
第36回 隣保館職員、住吉で生きるということは、わたしそのもの〔前編〕
平澤富士子さん(住吉輪読会・元担当者)
編集:菅原智恵美………40
わたしの視点 ―メディアの現場から
第89回 性暴力巡る表現―報道側に根強い「レイプ神話」
乾 栄里子………46
人権教育の実践の現場から(104)
人権が尊重される社会をつくるために(前編)
和泉市立信太中学校 古宮弘典………50
連載 企業経営の基盤に人権の尊重を 第9回
企業における差別事案と「新たな決意」 山岡尚哉………54
連載 人権・共生のまちづくりへ―隣保館調査から見えてきた課題 第2回
谷川雅彦………59
泰司と元樹の書きたいざんまい 第24回 松村元樹………64
―差別の現実は「個人的な感覚や実感」で判断するものではありません(前編)
連載 ライター社納葉子の迷子人生マゴマゴ月報 第12回
―リハビリしながらジェンダーを考える真面目すぎるワタシ
社納葉子………66
連載 走りながら考える 北口末広………70
―第268回 社会に多大な影響を与えるチャットGPT⑧
連載 本の道草 第117回 冠野 文………74
―正解のない問いに向き合う
連載 映画を通して考える「もう一つの世界」
ガザ これは私たちの恥である(番外編2) 中村一成………76
第38回 人権啓発研究集会(京都市) 【案内】……27
連載 4コマまんが ガッツせんべい(187)一か八か くぼたかし……33
人権をめぐる動き……80