ヒューマンライツ 8月号 №449
「こども基本法」で人権は守れるか
日本の国連子どもの権利条約批准(一九九四年)からすでに三〇年が過ぎた。二〇二三年には「こども基本法」が施行され「こども家庭庁」が発足、こども施策に関する基本方針や重要事項をまとめた「こども大綱」が閣議決定された。しかし、条約の義務であり、子どもの権利を守るために不可欠な「国内人権機関の地位に関する原則」(パリ原則)に則った国内人権機関の設置は見送られたままである。諸外国からの周回遅れと国の不作為が続くなか、自治体レベルでの子どもの権利を守るための条例制定が広がっている。諸外国や自治体の取り組みを通して政府の取り組みの問題点を考える。
子どもの権利と国内人権機関―条約三〇年を経て問われていること
吉永省三………2
子どもの権利を日本に根づかせていくために
―ウェールズやスコットランドの「子どもの権利(人権)アプローチ」に学ぶ
平野裕二………10
子どもの権利が守られる社会と文化を目指して 間宮静香………18
言葉と写真で世界をみつめる
第52回 個々の証言から触れる戦争の実相 佐藤慧………24
差別問題 基本の「き」 水俣病問題
第12回 水俣病事件―公式確認から公害認定まで(前編)田㞍雅美………30
変わる人権教育・啓発 第8回
障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた行動計画における
国の政策、自治体の取組から障害者に対する差別偏見はどう変わっていくか(後編) 平野みどり………36
届け!声(31)
一片の遺骨が植民地支配の歴史を撃つ 井上洋子………40
私の沖縄問題 第59回
珊瑚舎スコーレが作る慰霊の日 星野人史………45
明日をかえる法人―新たな人権への取り組み
第84回 NPO法人香川人権研究所25年の軌跡―いままでとこれから
竹上精一………50
人権教育の実践の現場から(122)
学校が安心できる居場所であるために(前編)
豊能町立東能勢小学校 門野夏海………56
わたしの視点―メディアの現場から
第105回 被災地・能登を後にして 戸田 栄………60
泰司と元樹の書きたいざんまい 第42 回
どうする?部落問題学習⑦ 結婚差別における「被害の永続性」という視点 川口泰司………64
連載 ライター社納葉子の迷子人生マゴマゴ月報 第32 回
―薄紙を重ねる日々の先にあるものは 社納葉子………66
連載 走りながら考える 北口末広………70
―第288 回 AIの進化が負の影響を与えないために
連載 本の道草 第137回 冠野 文………74
―身を守るには媚びればいいんだ
連載 映画を通して考える「もう一つの世界」映像のなかの在日(34)
中村一成………76
連載 4コマまんが ガッツせんべい(207)運動会の思い出
くぼたかし……29
人権をめぐる動き……80