本号の特集は、2013年に立ち上げ、十数年に及ぶ調査・研究活動に取り組んできた、「朝鮮衡平運動史研究会」によるものである。本研究会では、これまでにも、本誌の206号、207号、209号、211号、213号、215号にそれぞれ個別論文を掲載し、208号(2018年3月)、210号(2019年3月)、212号(2020年3月)、214号(2021年3月)、220号(2024年3月)と5回にわたって特集を組んできたが、今回の特集はその集大成にあたる。
本研究会においては、この間に、韓国における現地調査ならびに研究者らとの国際交流の実施や、2023年の衡平社創立100年にあたっての史料集の刊行や記念シンポジウムの開催など、精力的に取り組みが進められてきた。その成果の一環として刊行されてきた、『朝鮮衡平運動史料集』(2016年)、『朝鮮衡平運動史料集・続』(2021年)、『朝鮮衡平運動史料集 別巻』『朝鮮衡平運動史料集・補』(2025年)も合わせて、参照いただきたい。その他に、書評の投稿1本を掲載した。
[目次]
特集 朝鮮衡平運動史の研究(6)
衡平運動関係史料の発掘と編纂をめぐって 水野直樹
保寧事件と衡平運動 ――衡平社員侮辱事件から刑事事件へ―― 八箇亮仁
衡平運動家・李東煥(李同安)の行動と理念 吉田文茂
水平社と衡平社の交流と連帯をめぐる模索と帰結 朝治武
喜田貞吉の「白丁」・衡平運動論 矢野治世美
朝鮮衡平運動史研究発展のために(4) ――忠清南道天安市及び京畿道水原市での踏査―― 割石忠典
韓国における近年の衡平運動研究 ――動向と展望―― 金仲燮(翻訳:水野直樹)
朝鮮衡平運動史研究日本語文献一覧(続) 渡辺俊雄(作成)
朝鮮衡平運動史研究会の歩み 矢野治世美(作成)
『部落解放研究』掲載の衡平運動史関係論文一覧
書評
『検証・狭山裁判Ⅰ 再審無罪に向けて裁判闘争の歴史を振り返る』(藤野豊 著) 友常勉