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2024年5月30日

2023年度第3回みんなの人権・映像フェスティバル入賞作品を公開しました

「2023年度第3回みんなの人権・映像フェスティバル」(主催:世界人権宣言大阪連絡会議)入賞作品をYouTubeで公開しました。ぜひご覧ください。
公開にあたって、フェスティバルの総評と入賞作品それぞれ評価、そして人権教育・研修の教材として活用する際のポイントをお伝えします。

【2023年度 総評】
今回2次審査には12作品が進んだ。それぞれが良い面を持っていて、どれを選出するか大いに悩んだ。フィクションやドキュメンタリー、CM、入賞した作品も含めて、多くの作品が大事なメッセージを送っているけれど、指摘されるべきところもある、という状況であった。
そんな中から、本フェスティバルの評価のポイントである「人権の価値を多くの人に伝える」、「人権啓発の教材として紹介する」という前提で、入賞作品を選出した。教材として活用するということは、議論の手がかりにしてもらいたいということ。見た後に「この台詞や描き方はどうなんだろう?」「こういう側面もあるのではないだろうか」等々、大いに議論していただきたい。

【大賞】青い夏 小野光洋(監督)

【評価のポイント】
青い爪をもつ人々というフィクションのマイノリティに対する差別をドラマ仕立てにした発想がユニークだった。現代社会でよく起こっている差別を仮託したドラマとして受け入れられやすく、視聴者は差別の理不尽さ、おかしさを客観的に学ぶことができる。
【視聴・教材利用にあたって】
・最後に友人が主人公のマイノリティ性に対して「気にしなくていい」といったセリフは、発言者は励ます意図でも、アイデンティティを尊重していない姿勢、差別的な姿勢とも捉えられる。現実社会でもよくある場面で、このセリフが本当にふさわしいのか、違う呼びかけがなかったか、ぜひ議論してもらいたい。

【優秀賞】未来の子ども部屋~多様な性が紡ぐ家族のかたち~  鈴木倫子、会津万葉子(慶應義塾大学メディアコミュニケーション研究所)

【評価のポイント】
家族になりたい、家族を作りたいと望む同性カップルたちの悩みや困りごとを率直に伝え、それを乗り越え、紡ごうとする家族のかたちまで描かれている。名前、血縁はもちろん、それ以外のつながりも含めて家族のかたちはさまざまであることも伝わってくる。そんな多様な生き方や家族を支えることが社会にとっても必要ではないか、よりよい社会に向かうのではと考えさせられる。
【視聴・教材利用にあたって】
・婚姻制度や性別役割分業、夫婦同姓のような、人権を考える上で議論となる社会構造や制度の強化に繋がらないような配慮が必要である。

【優秀賞】(Re)_再び 上智大学水島ゼミA班

【評価のポイント】
西成を舞台にしたドキュメンタリー。自己責任が声高に言われる現代社会で批判を受ける生活保護受給者が多い西成地区の取材を通して、制作者自身が西成に問題があるのではなく、自分たちを含めた社会の無知や偏見、価値観が問題だと気づく。さまざまな支援者や当事者のインタビューから、視聴者も制作者の学びや気づきを共有できる。西成に対する差別・偏見へのカウンターになる。
【視聴・教材利用にあたって】
・人とのつながりを強調して”人情の街・西成”を消費することには、注意を促したい。
・現在、西成の最重要の人権課題は、再開発を行い、ここで描かれたような人々を追い出して、地価を上げようとする行政の姿勢である。発展的にそのような課題も考える取り組みも期待したい。

【特別賞】『グラフィックレコーディング』×『関わったことのないXにも関わってみてよ』  社会福祉法人同愛会Doメディア

【評価のポイント】
痙性麻痺による言語障害がある藤野さんが自身の経験を話す、その内容をグラレコさんが描いていく、その両方を記録(撮影)する、意欲的な表現方法だった。グラフィックレコーディングというスキルが新鮮で、話している様子から完成したイラストまで、一連のアートとして感じられた。イラストに対する藤野さんの感想なども入った双方向のコミュニケーションが見ることができたらさらに良かった。
【視聴・教材利用にあたって】
・障害者のリアルを知る、とてもポジティブな内容で、合理的配慮の例としても紹介できる。
・グラレコさんの質問が具体的で、藤野さんに便利な方法などが明らかになった。そのような問いかけは、お互いの理解を進める際の良い例として紹介できる。

2024年度「第4回みんなの人権・映像フェスティバル」も実施いたします。たくさんのご応募をお待ちしています。