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 1998年に大阪で発覚した大手調査会社による差別身元調査事件をきっかけに、各地で行政交渉や糾弾会が行われ、取り組みが進められてきている。

しかしながら5年たった今日なお、長崎県内の建設会社の元社員が在職中に、福岡県の市役所に同和地区を問い合わせていた行為が発覚した。調査の中で県内の小学校・中学校・高校に通った元社員は「同和教育を受けた記憶がない」と述べており、さらに元社員がいた建設会社自身も同和問題の独自研修を実施していなかったということである。あらためて同和問題や人権問題についての企業研修のあり方や、企業自身の社会責任についての姿勢や同和教育のあり方が問われているといえる。

 また、防衛庁による「情報公開法」にもとづく請求者に対して身元調査をおこない、さらに職業、所属団体、生年月日や思想、信条までわかる個人情報のリストを庁ぐるみで作成・利用していた事件は、あらためて「官」の人権感覚の欠如を示している。