■増加している部落外との結婚
(1)85年調査では、「夫婦とも部落」の組み合わせが65.6%で、「いずれか一方が部落外」が30.3%でした。それが、93年調査では、「夫婦とも部落」が57.5%に減り、「いずれか一方が部落外」が36.6%に増えています。
(2)地域ブロック別には、四国に「夫婦とも部落」が67.7%と多く、「いずれか一方が部落外」が30.7%と少なく、中国も四国と傾向が似ています。これに対して、近畿は「夫婦とも部落外」が8.8%と多いことなどが注目されます。
(3)府県別には、「夫婦とも部落」は奈良・高知・鳥取・徳島県、京都府は60%を上回り、特に、奈良県では71.4%という高率です。これに対して、大阪府、神奈川・愛知県、神戸市は30%台、大阪市は24.5%にすぎません。「夫婦とも部落外」は、大阪市は34.3%、大阪府は23.3%、神戸市は23.1%です。また、愛知・香川県は「いずれか一方が部落外」が50%を超えていますから、地域差は極めて大きいものと考えられます。
(4)夫の年齢別の組み合わせをみると、60歳以上では「夫婦とも部落」が70%を超えています。80歳以上では79.4%です。そして、年齢が若くなるほど、「いずれか一方が部落外」が増え、25歳未満では67.9%を数えます。変化は極めて規則的で、例外はまったくみられません。「部落内外の通婚が次第に増えている」ことは疑うべくもない事実です。
図13-1 夫婦の出身地の組み合わせ
図13-2 夫の年齢別 夫婦の出身地の組み合わせ
表13-1 地域別 夫婦の出身地の組み合わせ
地域
ブロ
ック
|
夫婦
とも
部落
|
一方
が部
落外
|
夫婦
が部
落外
|
府県
△6
|
夫婦
とも
部落
|
一方
が部
落外
|
夫婦
が部
落外
|
府県
▼6
|
夫婦
とも
部落
|
一方
が部
落外
|
夫婦
が部
落外
|
関東
|
57.3
|
41.1
|
1.6
|
奈良
|
71.4
|
24.6
|
2.7
|
香川
|
46.2
|
50.4
|
3.5
|
中部
|
55.1
|
40.2
|
4.6
|
高知
|
66.9
|
28.1
|
1.5
|
大阪
|
36.0
|
40.1
|
23.3
|
近畿
|
55.8
|
35.4
|
8.8
|
鳥取
|
65.6
|
30.3
|
4.0
|
神奈川
|
35.8
|
46.7
|
1.6
|
中国
|
61.4
|
34.9
|
3.7
|
徳島
|
65.6
|
28.2
|
2.0
|
神戸市
|
35.1
|
32.0
|
23.1
|
四国
|
67.7
|
30.7
|
1.6
|
京都
|
60.3
|
33.4
|
3.0
|
愛知
|
32.6
|
55.6
|
11.6
|
九州
|
52.7
|
41.1
|
6.3
|
群馬
|
59.1
|
39.6
|
1.3
|
大阪市
|
24.5
|
40.4
|
34.3
|
(部落解放研究所編『図説・今日の部落差別(第3版) 各地の実態調査結果より』より)
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