Home部落問題入門 > データにみる部落差別 > 結婚
(部落解放研究所編『図説・今日の部落差別(第3版)各地の実態調査結果より』から)
■まだみられる結婚への反対

(1)部落と部落外の人との結婚は次第に増えていますが、一方が部落の人であるためのトラブルはなくなったのでしょうか。総務庁の調査では、この点の追究がされていませんので、地域の調査でこれを補うことにします。

(2)1991年の佐賀・鹿児島県、1993年の京都府調査では、「結婚への反対」と「結婚後の行き来」を調べています。「結婚への反対」は、3府県ともに、相当の反対があります。特に、鹿児島県の場合は、部落外の親・きょうだい・親戚の反対の合計は120%を上回っています。

(3)「親との行き来」は佐賀県の場合、「結婚直後からずっと行き来している」が総合で80%を超えていますが、妻が部落外の場合は78.3%と低くなっています。鹿児島県の場合にも、妻が部落外のときに「行き来している」が少なくなっています。なお、鹿児島県は、「親元死亡」を除いて算出した比率です。また、京都府では、「行き来している」以外の回答は、「親元死亡」を除けば、26.7%になります。部落の人との結婚のため、周囲から強い反対があったり、結婚後実の親との縁が絶たれてしまう悲しい、厳しい現実が今もあるのです。

(4)神戸市では、「10年前に比べて状況がよくなった」と答えた人が総合で16.2%、前から居住している人(報告書では「原住」と表記)では19.8%です。しかし、「あまり変わらなかった」と「むしろ悪くなった」の計が総合で30.0%、前から居住している人では38.2%いることが注目されます。

図13-3 結婚への反対と親との交際(夫婦いずれかが部落外の場合)

佐賀県(1991年)

鹿児島県(1991年)

京都府(1993年)

表13-2 部落内外の結婚の評価(「10年前に比べてよくなったか?」)

 
総合
前から居住
性別
年齢別
男性
女性
20代
30代
40代
50代
60-64
65以上
非常によくなった
2.6
2.7
2.6
2.7
1.3
1.2
2.2
2.1
4.0
3.6
ややよくなった
13.6
17.1
13.5
13.9
11.4
11.5
12.0
16.5
15.5
12.8
あまりかわらない
26.9
34.4
27.6
25.0
24.7
28.6
29.6
28.8
25.9
23.6
むしろ悪くなった
3.1
3.8
3.2
2.7
2.4
4.3
2.7
3.5
3.5
2.5
分からない
30.2
30.1
29.5
32.3
23.4
29.1
34.4
30.0
27.4
32.1
10年前は非居住
8.0
2.3
8.6
6.4
31.0
17.3
9.4
4.2
2.9
3.5
(神戸市1991年)

(部落解放研究所編『図説・今日の部落差別(第3版) 各地の実態調査結果より』より)