2004年12月26日、スマトラ沖で巨大地震と大津波が起きた。スリランカやインド南部も津波に直撃されたという速報に、これまで現地の人々と交流を重ねてきた私たちは心乱された。日本とのパイプ役を果たしてきた東京の反差別国際運動(IMADR)は、年末の日曜日であったが、すぐに行動をとった。研究所もそれに呼応して、年明けには支援協力の要請活動を開始した。津波から3週間後にはスリランカを拠点に国際的な人権活動を行っているIMADR理事長のニマルカ・フェルナンドさんを大阪に招き、解放同盟大阪府連を始め大阪人権センターに事務所を置く団体が一緒になって緊急報告集会を開いた。
私たちの呼びかけにより、多数の会員および関係の方々より支援金が寄せられ、3月末までに合計160万円をIMADRに送った。時間が経つにつれ、物資配布などの救援活動において被差別者が排除されがちなことや、政府は軍施設などの復旧ばかり優先させているなどの問題が明らかになった。また、世界の関心も徐々に薄れ、支援にかけつけた国際NGOの多くも引き揚げつつあった。その一方で、仮設住宅で何とか飢えはしのげるものの、今後の生活の目処が立たない被災者が多数残されていた。
7月に再度来日したニマルカさんは、「被災から半年以上経ったが、政府による被災者復興の兆しは見えてこない。帰る家もなく被災キャンプに留まっている人が多数いる」など現状を訴えた。それを受け、研究所では第2回目の支援協力要請活動を開始した。「私たちはあなたがたを忘れていない」ことを被災者に伝え、少しでも今後の生活再建に結びつくような支援をするために、2005年12月末で締め切ったこの協力要請に対して、5団体12個人の方々より合計55万円の寄付をいただき、1月12日IMADR国際事務局に送った。
あれから1年以上経った。IMADRではこれまで全国から寄せられた支援金のうち、17,909,973円をスリランカのIMADRアジア委員会とインド・タミルナドゥ州の農村部教育開発協会に送った。この2つの組織による被災者を中心に置いたきめ細かい活動により、少しづつではあるが、津波で夫をなくした女性、生計手段を奪われたダリット女性や家族の間で、未来につながるプログラムが始まりつつある。しかし、それらはまだ緒についたばかりだ。多くの被災者はもとの暮らしを取り戻すために苦闘を続けている。災害から立ち直り生活を再建するには1年は余りにも短い、まして様々な社会的困難に置かれている人々にとっては。
「あなたがたを忘れていない」というメッセージを送り続けるために、部落解放・人権研究所はあらたに第3回目の支援要請活動を以下の通りに行います。皆様のご協力をお願いいたします。
送り先:郵便振替 00900−7−149514
社団法人部落解放・人権研究所
締め切り: 2006年3月31日
お送りいただいたお金はIMADR国際事務局を通してインドおよびスリランカに届けます。
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