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 教育現場における差別事件では学校側の非民主的体質が差別の温床となっている実態や、教諭自身が特定個人の中傷や部落差別を助長したりするなど、確認できただけでも39回行っているという事件が生起している。

 奈良の中学校で起きた人権作文の中での差別作文は、これまでになかった内容であり、よりていねいな分析ときちんとした点検が必要であろう。

 香川県の四国学院大学での事件は、2000年1月から同年5月まで7回にわたって送られてきた差別メール・文書事件の延長線上にある。学校側は大学関係者で同一犯との見解を示しているが、一方で、大学側は香川県連と差別文書を送られてきた学生の出身支部等と連携をとりながら当人を支える体制を確立している。こうした救済措置はこれからますます重要になってくると考えられる。

 残念なこととしては、京都府宇治市での事件は、被害者が加害者の近所に住むことに耐えきれず転居、転校している。子どもがそれまでに培ってきた友だちや先生、その他の人間関係などが壊されてしまったのである。

 2001年に発覚した事件は紹介されていないものの、浄土真宗本願寺派の北海道、福井、大分での事件など差別体質の根強さが浮き彫りにされており、浄土真宗本願寺派に限らず曹洞宗でも横浜、栃木、総持寺、などの事件に対する日常不断の教団の取り組みが必要とされている。

 この項目は今回1件だけの紹介である。この事件で差別表記をした当人は学校で単なる知識として「士農工商エタヒニン」を知り、部落問題への認識がまったくなかった。学校での「同和」教育のあり方も問われている。また、出版社側も部落問題をややこしい問題と位置づけてきており、その姿勢が問われている。